BCL
ラジオ愛好家の方の中には、昔流行したBCL(broadcasting listening/broadcasting listener)が趣味だったという方も多くいます。BCLは、簡単に言えば海外からの無線放送を受信して聴くことを指します。国内に限らず、世界中の様々な地域のラジオ放送を聴くことができるため、多くの方が興味を持つのではないでしょうか。
BCLとは、放送を聴取し楽しむ趣味自体を指す広義の意味と、主に短波を使って海外からの放送を受信することを意味する狭義の意味があります。日本では1970年代から1980年代にかけて、「BCLブーム」という現象が起こりました。このブームは小学生・中学生・高校生層に広がり、海外の短波放送を受信し聴くことが娯楽として人気を集めました。
外国の短波放送を聴くことは、まだインターネットもなかった頃は、趣味として楽しまれてきました。また、外国語学習や海外情報にアクセスするための手段としても使われてきました。ラジオファンは、短波放送を聴くことをSWL(短波リスナー)と呼び、アマチュア無線局設置前のステップとして位置付けられていました。
短波放送やアマチュア無線局の受信報告書を送ると、放送局からはVerification Card(ベリカード)、アマチュア無線局からはQSLカードが送られてきました。多くの局を受信し、証としてのカードを集めることは、受信者の技術力と努力の証明となると同時に、SWLまたはDXerとしての認知度を高めることができました。
受信者は受信報告書に受信した放送局名、受信年月日、受信した周波数、受信時間と時刻、受信状態評価(SINPOコードによることが多い)、受信機やアンテナの状況、受信した放送番組内容の概要および感想を記述し、放送局に送ります。この受信報告書が受理されると、放送局からはベリカード(受信確認証)が送られてきます。ベリカードを収集することを趣味とする人も多く、BCLファンの一種として広く知られています。
受信報告書には、電波伝搬や受信状況のデータが記載されるため、放送局にとっても貴重な情報源でした。そのため、中波ラジオ局やテレビ局でもベリカードを発行しました。ベリカードは、放送局やアマチュア無線局が制作し、各国・地域の特徴を出した個性的で美しいカードを作成することが競われたため、収集家にとっても価値のあるアイテムとなりました。
短波帯
短波帯の電波は、インターネットのない時代には、唯一世界的な距離で通信ができる手段でした。
短波帯の電波は、現代においては、インターネットや衛星通信など、様々な高度な技術が発展した中でも、その重要性は依然として健在です。そして、その理由は簡単です。短波帯の電波は、地球上の人々が世界中のどこにいても、互いにコミュニケーションを取ることができる唯一の手段だからです。
特に、気象状況が不安定で、自然災害が発生した場合に、電気や通信網がダウンした状況下において、短波帯の電波は生命にかかわる重要な意味を持ちます。短波帯の電波による通信は、世界中の人々を救助するために使われることがあります。
また、短波帯の電波は、いくつかの国際放送局によって、国外へ情報を発信することに利用されています。その中でも最も有名なのはBBCワールドサービスです。世界中の人々に、中立的かつ正確な情報を提供するために、短波帯の電波を利用しているのです。
つまり、短波帯の電波は、インターネットや衛星通信といった新しい高度な技術が現れても、依然として重要な役割を持ち続けています。そして、その役割は地球上の人々の生命を救う場合から、中立的な情報提供にいたるまで、多岐にわたるのです。
まとめ
BCLは静かな時間に自分だけのラジオ時間を過ごすためにも最適です。また、自然現象による受信障害が起こりやすいため、受信できたときの充実感も大きくなります。BCLを通じて、世界の様々なラジオ番組を楽しみませんか。
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